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KitLegon Design System

はじめに

第2回TasukeⅠプロジェクトに参加された東葛人さんの提案は自由発想・自由デザインの自転車をつくるがこの会の中心課題だ。その実現の第一歩が KitLegon、自転車のフレームを機能的に見ると、ハンドル・サドル・ペダルの3点がマンマシンインターフェースとなる。この空間的配置力学的な強度をもつ合理的なデザインを考えることがポイントだといえる。

考えてみればハンドルチューブにはフォークと車輪、シートチューブにはペダリングのためのBB。そして後輪とフレームが繋がっていれば自転車の機能する。 自転車の要は走行特性を大きく左右する、操舵と関連するトレイル、これはキャスターアングルとフォークオフセットによっていろんな特性に変化する。まだこ の数値は決定的なものが無いようだ、ならばそれを確かめる実験も必要だ。

キャスターアングルとほぼ同じ角度に設定されるシートチューブの角度、これもBB位置との関連が定量的に与えられているというものではなく、これについて も実験的に確かめてみる必要性が認められる。このような確認をするには簡単に角度と長さの可変構造のフレームが必要になる。これを実現するのが KitLegonである。

自転車の工学的な研究は既に終わりを告げたと思っていたが、まだ、検討してみる必要性があるようだ。万人に向く理想の自転車があるのだろうか。もしあると するのであればそれはどのようなものになるのか確かめてみたい。多分、万人に向く理想の自転車等は存在しないが個別単位、すなわち個人のスキルと目的に合わせたオンリーワンの自転車これが理想の自転車になるものといえる。

多くの人が自分だけの理想の自転車が作れたとしたときその共通点を抽出し、その特性を生かした設計基準を確立し次世代自転車の企画に取り入れることが出来 るなら価値のあることだと思う。趣味の仲間の小グループからはじめ、その設計原理を基に製作し、評価と実験の繰り返しが、やがてバタフライ効果を生み出す ものと考えられる。

ここに提供するKitLegonはスケルトンを設計することからはじまる、ディメンションが決定され部品間を接続する材質と長さ、肉厚が決まればそれにあわせて加工し、あとは組み立てれば完成という極めて単純な工作で、いろんなデザインを提供することが可能である。もし機能で不足するものがあれば追加 することで範囲を広げていく方針である。

KitLegonで製作したデザインモデルは実用的に乗れるものであり性能を確かめたあとにプロトタイプを製作するという手順となる。これに到達するまで はいろんなデザインを試行的に確認するのに極めて単純な機能パーツの組み合わせで実現できるものである。早速以下にシステムの内容を紹介しよう。画像をクリックしてこれまでに製作した作品をご覧下さい。

TasukeⅠ 活動
ここに紹介する自転車の設計法は素人思考によるものである。素人だからこそ出来るということかもしれない。ものは、玄人思考の専門家集団が製造することが 当たり前だと普通は思うだろうが、ならば消費者の立場である、われわれが満足するものが提供されているかといえば必ずしもそうとはいえない。消費者が満足 するものができて初めて完成品といえるものだが、次世代自転車のさきがけになるようなものは見当たらない。

以下に示すアルバムは、西宮さんが記録に残した、これまでにいろんなデザインの製作例を取りまとめたものである。


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石油ショック以降、国をあげて省資源・省エネのスローガン、それには自転車の積極活用が掲げられているし、自転車道の整備にも力が入れられている。この先 自転車時代に進む方向を考えてみた時、現在、大量に使用されている実用車ママチャリと呼ばれているものを増やせばよいというものではないとおもう。最近、 自転車は車道を走ることが必然だと指摘され道路の片隅に走行ラインがペイントされ自転車通行区分が設定されたり、子供二人を乗せたりする3人乗り自転車が利用で きるようになるらしい。

この政策が実現して終わりということは無いものと思う。最終的な利用者は一般市民であって企業とか専門家集団の利用を中心に考えられているものではない。 市民の期待にこたえられる自転車時代の政策は何処にあるのだろうか教えていただきたい。国も企業も無策ということは無く、日夜研鑚に努力されていることだ ろうと思う。市民である立場の私達が趣味で楽しむ自転車だからこそ自由発想ができるゆとりがあるといえる、仕事が本来という立場の人たちには遊びはできない環境だ、本来あるべき姿とか現実問題に終始していると難しいかもしれない。だが、こんな自転車が必要だという生活者のニーズとして伝えることも必要カも 知れない。
by tasukei-x24 | 2010-05-16 19:29 | 素案