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フレームの安全性評価法

CFRP複合構造体のカイザー効果評価法

作ったフレームの安全性を確かめる方法の一つにアコースティック・エミッションの特性を利用してカイザー効果という現象を測定することにより過去に受けた外力の最大値を推定することが出来る。難しいことは避けて作った自転車フレームに200Kgの錘をぶら下げて一昼夜置いてみて壊れていなければ合格ということも出来る。要は静荷重でこの程度に耐える必要があるということであり、体重100kg程度の人までが乗れる自転車になります。

AE法とは、材料に外力が加わった時に局所的な微笑破壊が発生する。このときに放出される微弱な弾性波(AE)を検出して内部の情報を得る方法である。
素材の特徴としてカイザー効果という現象がある。その原理とは、変形において同一方向に変形を継続する場合、一度応力を除荷して再負荷したとき、除荷した点の応力値に到達するまでは、AEは発生しないという現象である。

この原理を利用してフレームの安全性を確かめようとするアイデアである。装置は簡単でAEを検出するセンサーと電気的信号に変換するアンプ一つがあれば事足りると言う簡単な物である。
測定は車輪軸を支点にしてサドルに荷重をかけるという力学的に両端支持梁というモデルを形成し漸増荷重(50、100、150、200kg)を加えてAEの発生状況を観測する。具体的にはサドルの位置に20リットルのポリタンクを振り分けで吊り下げるようなことを考えればよい。

簡単なようだが200kgの荷重は水だけでは嵩張ってしまうので金属製の錘などの併用が必要となる。これとあわせてBBの高さの変化と荷重のの関係を記録しておけばフレームの動的特性の評価することも可能になる。最大200kgの荷重を加えて24時間放置し、再び200Kgを再負荷てもAEが発生しないことを確認すれば合格である。

カイザー効果を定量的に知るためにフェリシティ比が用いられる。このとき、再負荷時におけるAEの再発生時を正確に測定することが重要である。最大曲率法を用いてこのAE再発生時を推定し、フェリシティ比を算出する。CFRP複合材を用いて、サイクル試験を行い、カイザー効果を評価する。載荷と除荷をある程度の時間間隔で繰り返す、また、再負荷したときはある大きさの荷重で一定時間保持する。

このAE法に関連してカイザー効果という現象がある。カイザー効果を利用すれば使用中の機械構造物の健全性評価や過去の応力履歴・寿命予知などが可能になる。この方法で合格するものは、公的な検査機関に依頼しても合格するだろう。このテストを行った自転車がもし、走行中に異音が発生することを検知した場合、危険な状態だと言えるので詳しい検査の必要がある。

この手法は現役の時代に原子炉の配管系の応力腐食割れのオンライン監視、大規模トンネルの掘削時、支保工の破壊予知とか、地すべりの観測、地震予知などの基礎研究をしていたものが自転車にも役に立ちそうです。またフレームの構造体としての力学的評価にFEMもあわせての活用することが必要になると思う。
by tasukei-x24 | 2010-08-12 19:42 | 評価