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KitLemon(C)の製作概要

自転車はどこまで軽くつくれるのか

日常生活において出かける時には、いつもデジカメとノートブックに飲料水を持ち歩いていいます。バッグを秤に乗せて重さを調べてみると3kg程度。日常的に4~5kgぐらいならば、なんとか持ち歩けないこともないということです。これに自転車が加わることになりおよそ10kg程度が実用的な限界と感じています。

ところで、ぎりぎりまで軽量化の努力をした場合、これまでに6.2kgの自転車は作ることが出来ました、更に軽量化を目指してカーボン素材の利用に方向を向けようとしています。素材自体は安価であるが、部品に仕上げるための工法、ならびに開発と加工の人的手間が多く必要で結果として非常に人件費率が高く高価ににならざるを得ないと認められます。

わたしたちが趣味で何かを製作する場合市販のもので間に合うケースでは、それを入手することが自作するよりはるかに安いといえます、だがカーボン素材の利用ではほとんどが人件費といわれるぐらいであることから自作=人件費がゼロと割り切れば自作する価値はあります。ただし手間暇と忍耐、そして工法を考える知恵が必要です。実際にカーボンパイプ一本を作ってみたとき金属を超える強度のものが、素人細工で出来る感動を味わうことができます、これこそ趣味の醍醐味と言えます。

では通常の自転車はどこまで軽くなるのだろうか、ネットでさがすと3.5kgほどのロードレーサーが掲載されている。つまり、市販されている自転車用部品を集めて組み立てると700Cのロードレーサーの自転車を5kg台で組み上げることができます。市販の小径車よりもはるかによく走るロードレーサーが、超軽量の小径車より軽い重量で組み上げることができる、これなら一台手に入れてみたいと魅力を感じています、ならば、そのほうがずっと良いように思えるが、そう簡単な話ではないようです。

3.5kgとまではいかなくとも、輪行目的の自転車愛好家には、軽量化に取り憑かれている人々も多く存在すします。マニアックな人たちは自転車に使う部品の重量を測定して少しでも軽い部品を捜し自分の自転車に組み込むことを喜びとする人もいる。自身もこの仲間と同列に思う人がいるようだが、そうではなく、輪行の体験から実用的にみて軽くすることができればという必要性から実現しようとするものです。村山コーポレーションでは10段変速 5.8kg 変速付きでは世界最軽量の小径車の軽量なものが見つかりましたので参考になるかもしれません。

市販品があるなら、それを購入すればすむではないかと思いましたが、画像をチェックしてみるとキャスターアングルが71度、シートアングルが68度と大雑把ですが読み取りました。また、このディメンションでは、サドル後淵位置とりアクセルがほぼ同じ位置にある、リア側に大きな荷重が加わり、フロント側が軽いのでハンドルがふらつく要因をこれまでに体験しているので前後の輪荷重バランスにおいて自身の希望に合わない、もし、この値がオーダーで変える事が出来るのなら購入を考えて見てもと思うが多分聞くまでもないことだと思う。ということは、自作以外に無いということ、また、価格も¥498,000.-(税込)とそれなりの金額である。匠の技で素晴らしい自転車であるが希望の仕様と異なるものでは購入しても不満が残る。

一般論は軽量パーツを組み込んだ自転車を作るには、半端ではない投資が必要だといえる。自転車用の軽量化パーツは、基本的に軽くて丈夫、特別なな素材で作られている。炭素系複合材料を中心に、チタン、マグネシウム合金など。これらの素材は鉄系合金・アルミ合金よりもはるかに製品価格は高価であり、加工が難しい。またそれらは大量生産・大量販売ができる市場がなく多品種少量生産のため単価は高くなる。

趣味であるからこそ、チャレンジしてみようという格好の素材である、自由発想・自由デザインの自転車、考える楽しみ、作る楽しみ、そして乗って楽しむという実現の可能性を追求し、その具体的な方向性が見えてきたという段階です。製作は週に1回程度のペースなので遅々としていますが間もなく構造部材の試作が出来上がる予定です。当面は入手しやすい部品を組み込んでテストランが出来るようにする予定です。そしてゴールはKitLemon(C)で多くの人々が趣味で作るオンリーワンの製作が出来る環境を整えることです、ご期待ください。

軽量で巡航速度、時速25km/hを目指すレジャーバイクを製作します。
企画・デザイン:X24 製作:多田さんとのコラボレーション。
乗り手の身長は160~175cm程度の人を対象にします。仕様についてのご要望がありましたらコメントください。画像をクリックするとスライドショーをご覧いただけます。

KitLegon(C)




最初の乗り手は自身と、多田さんのサイズに適合するものになります。
これまでの経験から乗り手の特性に合わせる必要いくつかのポイントがあることを確かめました。
重要なのは、キャスターアングルとトレイル、シートアングル、リアセンターなどの決定とその結果から前後の輪荷重バランスの適正地を見つけ出すことです。これらをきめ細かく設定することで自分見合う自転車が出来上がります。見方を変えると他人の自転車が自分に最適だということは殆どないこといえます。だからこそオンリーワンの自転車が必要なのだとご理解ください。これまでに市販車を乗ることはありましたが、どこかに不満があった事から自作が始まり、いろんな特性実験を経て設計の方向性が見えてきたという段階です。

小径車の多くは後輪に多くの荷重がかかります、その為、坂道で苦労するので、Lemonの場合リアセンターを長くして輪荷重バランスを1対1に近づけること、軽量にするためフレームの部材をこれ以上減らせない、メインパイプに撓み性を取り入れたサスペンション機構などで解決したのが特徴といえます。今回はカーボンプリプレグを利用して一段と軽量化を試みました。
Lemon2009の標準サイズのSkeletonをベースにして作成しました。フレームは12個の部品で構成します。
①-----------ハンドルチューブ 口径38mm 長さ200mmあるいは360mmのどちらか
②-----------シートチューブソケット 一体構造
③-----------シートステークランプ 一体構造
④-----------BBソケット A6063 口径40mm 長さ68mm
⑤-----------シートステークランプ 一体構造
⑥-----------BB側ステー  幅30mm 高さ41mm楕円
⑦-----------シートステー  幅30mm 高さ41mm楕円
⑧-----------シートチューブ 口径32mm 長さ250mm
⑨-----------フロントブリッジ 幅36mm 高さ48mm楕円
⑩-----------リアブリッジ  一体構造
⑪-----------フロントフォーク KitLegon 汎用
⑫-----------リァフォーク KitLegon 汎用
   Sl=40~100mm ステム長さ 
   Hh=860mm ハンドルポスト高
   Sh=860~950mm シート高
   CA=73deg キャスターアングル 標準値 希望にあわせることが可能
   SA=73deg シートアングル 
   Fc=570mm フロントセンター 
   Rc=400mm リァセンター一般向きとし、ロングテールは要望により製作。

基本仕様は20インチ406、キャスターアングル73度、BB高さ270mm。組み込むコンポはカプレヲ。
フレームは実用的に軽くて壊れる一歩手前で安全が確保できるというものが必要です、今回は壊れないことを前提にした評価モデルとしますので剛性の高いフレームとなります。この成果の発展により会員配布用としてのオンリーワンが自作、ご利用できるように進める計画です。
既に主要部品としてハンドルチューブ、シートチューブ、フロントセクション、リアセクションなどの試作は終わっています。残っているフロントブリッジ楕円形断面(36×48)の部材が出来上がりましたので、本日仕上げ加工をしていただきました。週1回程度の工作なのでモノができるまで長い時間がかかります。カーボン素材は高価なものではなく自転車フレーム1台当りて素材費そのものは1万円超える程度のものです。パイプなどの製作は手間はかかりますが慣れると容易に作ることが出来ます、自分で1から製作するのもよし、完成した構造部品を作っていただき利用することも検討中です、多くの人に自作の楽しみを味わっていただけるような方向が実現できるように作り方の講座などについても進めて行きたいと思います。
KitLegon framesetのスライドショーにくわえましたのでご覧下さい。

KitLegon(C)

by tasukei-x24 | 2010-05-18 19:59 | 製作